
Aillio R1 V2 と R2 Pro — 「同じ家系」だが狙いが違う
デンマーク発の電気式ドラムロースター、AillioのBulletシリーズは「精密制御」と「デジタル記録」が共通の特徴です。R1 V2はこれを“1kgクラスの本格パーソナル/サンプルロースター”として仕上げ、R2 Proはさらに出力・容量を高めて“小規模商用〜プロユース”の領域へ踏み出したモデルと言えます。
一番大きな違い:出力(W)とバッチ容量
R1 V2の公称は1kg(最大)クラスで、消費電力は概ね1.5kW前後。対してR2 Proは2,300W(約2.3kW)で、バッチ容量は最大1.2kgと若干大きめです。出力差は「加熱のレスポンス」「短時間での温度上昇」「大容量ロースト時の安定性」に直結するため、より短時間で強い加熱を必要とするプロファイルや、ロースト回転率を上げたい現場ではR2 Proの優位性が明確になります。
コントロールの細かさ(パワーレベル/ファン/ドラム)
R1 V2は複数のパワー(およそ9〜10段階)、ファン・ドラム回転も調整可能で精密に動かせますが、R2 Proはより多段のパワーレベル(14段)を持ち、ファンやドラムのステップも増えている機種が多く、より微細な「加熱量 × 流量」の調整が可能です。これにより、流入空気量(エアフロー)と加熱の組合せを微調整して、より安定したプロファイル再現や意図的なキャラクター作りがしやすくなります。
センサーとソフトウェア:RoasTime エコシステム
両モデルともAillioのIBTS(赤外線豆温度)やドラム温度センサーを備え、RoasTimeソフトでプロファイルの記録・再生・共有が可能です。R2系ではさらにFlowSense(エアフローの検知)や、チャフ(外皮)センサーなどが装備されているバージョンがあり、自動補正やアラートといった運用上の安心感がプラスされています。データ管理や複数台でのプロファイル共有を重視するならR2系が一歩上です。
機構的違い:冷却トレイ・ドラム加熱方式など
両者とも「誘導(IH)加熱のドラム」を採用し、安定した加熱が得られますが、R2 Proは大容量対応のProクーリングトレイ(回転冷却アーム)や強化された換気設計を持つことが多く、ロースト→クールの工程を効率化します。R1は取り回しやクリーニングのしやすさ(脱着式のファンやチャフボックス等)を優先した設計で、月間の焙煎量がそれほど高くないワークフローにフィットします。
サイズ・重さ・設置面の違い(運用面での現実)
物理サイズや重量はR2 Proの方が一回り大きく、設置スペースや電源(R2 Proは220–240Vの供給が前提で2.3kWを引けるブレーカー・配線が必要)にも注意が必要です。家庭や小さなショップであれば電源工事のコストを含めて導入検討をする必要があります。R1 V2は日本国内向けにも200V仕様で流通しており、比較的導入ハードルが低めです。
誰にどちらを勧めるか(目安)
- R1 V2 を勧める人:趣味で本格的に焙煎したい方、週あたりの焙煎量が中〜少量(例:月100kg未満)で、機器の取り回し・クリーニングのしやすさ・コストを重視する個人/小規模事業者。
- R2 Pro を勧める人:高回転でのロースト運用や1回のバッチを最大化したい小規模カフェ/ロースター、より細かな制御と強力な加熱レスポンスが必要なプロフェッショナル。電源・設置の手配が可能であれば、投資に見合うパフォーマンスを発揮します。
結論:用途で選ぶ「同門の別方向」
R1 V2 と R2 Pro はどちらも「Aillioらしい精密さ」を備えていますが、R1 V2は高性能なパーソナル/サンプル機、R2 Proは“よりパワフルで商用寄りという住み分けです。導入時は(1)月間焙煎量、(2)望むローストプロファイルの性質(短時間での強加熱が必要かどうか)、(3)設置電源・スペースを優先して検討すると間違いが少ないでしょう。実際の購入前には、近隣の導入店で試し焙煎させてもらうか、販売代理店での実機デモ確認を強くおすすめします。
導入コスト比較表:R1 V2 vs R2 Pro
| 項目 | R1 V2 | R2 Pro |
|---|---|---|
| 本体価格 | Aillio Bullet R1 V2:¥ 617,980(税込) | 本体価格:¥ 852,500(税込、Aillio Japan) +前金(予約時):¥ 298,000 |
| 電源工事(単相200V 専用回路) | 必要。相場:¥30,000~150,000程度 | 同じく必要な可能性が高い(同電力仕様)。同額を想定。 |
| 電気ブレーカー+コンセント設置 | ブレーカー増設+専用回路+200Vコンセント:¥15,000~30,000(工事業者・距離により変動) | 同上。高出力を見越して20A〜30A回路を想定するとややコスト増になるケースも。 |
| 変圧器(必要時) | 必要になる場合あり(例:元の配電が100Vの場合)→ VCT VT‑2000J 変圧器 など:約 ¥30,000 前後 | 同様に変圧器が必要なら同等コスト。ただし、高出力を扱う場合は容量確認が必須。 |
| 換気 / 排気設備 | 室内焙煎にはファン+ダクトが必要。具体額は環境によるが、専門業者に依頼すると 数万円〜。 (※厳密な相場は機種/設置場所で大きく変動) | R2 Proでも同様。商用用途なら本格的な換気設計が必要になる可能性が高いのでコスト増。 |
| メンテナンス・消耗部品 | センサー清掃、チャフ除去、ファン脱着などの定期メンテナンスが必要。部品代や作業時間を見積もると 月/年スケールでコストが発生。 | 同様に必要。回転率が高い運用・プロ用途ではメンテナンス頻度が上がる可能性があるため、保守コストはやや高めになる見込み。 |
| トレーニング・導入支援 | 初期セットアップにチェック(漏電・ネジ・排気確認など)が含まれているケースあり(R1 V2 の日本正規品) | R2 Pro でも、輸入代理店や販売店による導入支援を受ける可能性がある。追加コストを見積もるべき。 |
ポイント・解説
- 電源工事:どちらも単相200Vを必要とする製品のため、多くの導入環境で 専用回路の設置(ブレーカー/コンセント新設など)が必要になります。相場としては ¥30,000〜150,000 と幅があります。
- 変圧器:もとの家庭用が100Vなら、200Vに変換する変圧器(ステップアップトランス)が必要になるケースがあります。上記のような製品(例:VCT VT-2000J)は ¥30,000前後。
- 換気:焙煎機はチャフや煙を出すため、適切な排気経路が必須。既存の換気設備がないなら設備導入コストを見積もる必要があります。
- メンテナンス:センサー・ファン・チャフ掃除など定期作業が必要で、運用コストとして無視できない。
- 導入支援:正規代理店から購入する場合、初期セットアップの確認(電気/安全/動作)を含んだサポートがあるかどうかを事前に確認したほうがよい。
日本国内の Aillio 正規代理店 / 販売窓口リスト
| 代理店名 | 取扱製品 / サービス内容 | 特徴 / 備考 |
|---|---|---|
| 株式会社 R&D ESPRESSO LAB(Aillio Japan) | Bullet R1 V2、Bullet R2 Pro など | Aillio日本正規輸入販売代理店。製品販売、導入支援、メンテナンス窓口あり。 |
| 株式会社 ノーザンコマーシャル | Bullet R1 V2(日本国内使用適合モデル) | 正規代理店として、PSE / 型式確認済みの国内使用適合品を扱っている。Web上で「MAX加熱点検・試運転・安全ガード取付」後に出荷する点を明示。 |
ちなみにDEEPER COFFEEのAillioはノーザンコマーシャルさんで購入しました。
一度、Aillio BULLET ROASTER R1 V2 を試しに使ってみたいという方は公式LINEから予約いただくか、Instagramのダイレクトメッセージからご連絡お願いいたします。



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