☕ L値をコーヒー焙煎に使う意味とは?
✅ 1. 「目視」に頼らない、客観的な焙煎度の評価ができる
従来、焙煎度は「色の見た目」や「香り」など、焙煎士の経験と感覚に頼る部分が多くありました。しかし、
- 人によって「明るい・暗い」の感じ方が違う
- 光の加減や豆の形状で見え方が変わる
といった主観のブレが生じます。
➡️ L値を使えば「色の明るさ」を数値で統一でき、誰が見ても同じ焙煎度として判断可能になります。
✅ 2. 焙煎の品質を安定させるため
たとえば、毎回「中煎り」に焙煎しているつもりでも、微妙な加熱時間や排気の差で焙煎度が変わることがあります。
L値で数値を管理していれば、
- 「前回はL値37だったから、今回もそれを目指そう」
- 「今回はL値が39だから少し浅めに仕上がったな」
というように、焙煎の再現性(安定性)を高めることができます。
✅ 3. チームや店舗での焙煎基準の共有ができる
L値は、焙煎士が交代しても、また複数の店舗やロースター間でも
- 「この豆はL値35で仕上げる」
- 「このブレンドはL値38がベスト」
というように、共通の焙煎基準として使えます。
→ 感覚に頼らず「誰が焼いても同じ味」に近づけるのが大きな利点です。
✅ 4. カッピングや評価基準に使える
スペシャルティコーヒーや品質評価の現場(例:Qグレーディング)では、
- 焙煎度が適切かどうか
- 焙煎による欠点や過不足を判断する
といった目的でL値が使われます。
浅すぎても深すぎても評価の妨げになるため、L値は“適正な焙煎の証明”として使えるのです。
✅ 5. 消費者への信頼と透明性が上がる
最近では、豆のパッケージや商品説明に
Medium roast(中煎り)/L値:36
といった形で表記するロースターも増えています。
これは消費者にとっても、
- 「この豆は浅煎りっぽいけど、本当にそうなのか?」
- 「どの店も“中煎り”と言うけどバラバラじゃない?」
といった疑問に、数値で答える明確な基準になります。
🎨 焙煎度を数値で見る「L値」とは?
▶ L値(エルち)とは?
L値(明度)とは、「色の明るさ」を0〜100で数値化したものです。
- 100に近いほど明るい(白)
- 0に近いほど暗い(黒)
L値は、国際的な色評価基準であるLab色空間の一部で、コーヒーだけでなく食品、化粧品、繊維などの色測定にも使われています。
▶ コーヒー業界での用途
コーヒー豆(特に粉)のL値を測ることで、焙煎度を客観的に管理できます。浅煎りならL値が高く、深煎りならL値が低くなるのが一般的です。
📏 L値の測定には何を使う?
主に以下のような測定器が用いられます:
✅ ① 分光色差計(例:ミノルタ CM-5)
- Lab値を正確に計測
- 食品・飲料業界で広く使用
✅ ② Lighttells CM-100 Plus

- コーヒー用に特化した小型測定器
- L値+Agtron値を両方表示可能
- 焙煎所やカフェで導入されている
- 247,500円と結構高価なものです
📊 L値とアグトロン値の対応表(目安)
| 焙煎度名 | 焙煎分類 | Agtron値(粉) | L値(粉) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| グリーン(未焙煎) | – | 90〜100+ | 60〜70 | 緑〜灰白色、焙煎前 |
| シナモンロースト | 浅煎り | 85〜90 | 55〜60 | 明るい茶色、酸味強め |
| ニューイングランドロースト | 浅煎り | 80〜85 | 52〜55 | 軽やか、フルーティ |
| アメリカンロースト | 中浅煎り | 75〜80 | 49〜52 | 酸味と甘味のバランス |
| シティロースト | 中煎り | 65〜75 | 45〜49 | 日本の標準的な焙煎 |
| フルシティロースト | やや深煎り | 55〜65 | 40〜45 | 苦味とコクが増す |
| フレンチロースト | 深煎り | 45〜55 | 35〜40 | 表面にオイル、香ばしい |
| イタリアンロースト | 深煎り〜極深煎り | 30〜45 | 30〜35 | 苦味強、エスプレッソ向き |
| スパニッシュロースト | 極深煎り | 25〜30以下 | 25〜30以下 | 焦げ感・スモーキー強 |
※豆のままよりも、粉にした状態でL値を測る方が精度が高いとされています。



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