🔥 焙煎度とは?
焙煎度(ローストレベル)は、コーヒー豆をどのくらいの時間・温度で焙煎したかを示す指標で、風味や香り、酸味、苦味、コクなどに大きな影響を与えます。
主に以下のような段階に分かれます:
| 焙煎度名 | 色の目安 | 味・香りの特徴 | よく使われる用途 |
|---|---|---|---|
| ① グリーン(未焙煎) | 緑〜灰白色 | 香りや味はなし、生豆の状態 | 焙煎前、保存・品質チェック用 |
| ② シナモンロースト | ごく薄い茶色 | 草っぽさ、強い酸味、軽い口当たり | 超浅煎り系、北欧式スペシャルティ |
| ③ ニューイングランドロースト | 明るい茶色 | フルーティで酸味が際立つ | 浅煎りドリップ、軽やかな仕上がり |
| ④ アメリカンロースト | やや濃い茶色 | 酸味と甘みのバランス良、軽いコク | スペシャルティ、フィルター抽出 |
| ⑤ シティロースト | 中間的な茶色 | バランス型、香ばしさ、穏やかな酸味 | 日本の主流、ハンドドリップ |
| ⑥ フルシティロースト | やや暗い茶色 | 苦味とコクが増し、酸味は控えめ | カフェオレ、ラテ、深煎り好み |
| ⑦ フレンチロースト | ダークブラウン(オイルあり) | 苦味強め、スモーキー、重厚 | エスプレッソ、アイスコーヒー |
| ⑧ イタリアンロースト | 黒に近い茶色(オイル多) | 焦げに近い苦味、酸味ゼロ | エスプレッソ、濃厚系ブレンド |
| ⑨ スパニッシュロースト | ほぼ黒 | 焦げ感強、豆の風味は消える | 一部地域のみ、特殊用途 |
この焙煎度を数値化したのが「アグトロン値」です。
📏 アグトロン値(Agtron値)とは?
アグトロン値とは、コーヒー豆の焙煎度(色)を数値で客観的に示す指標です。
コーヒー豆を「浅煎り/中煎り/深煎り」と言葉で表すだけでは、焙煎の違いを正確に共有するのが難しいため、数値化された「共通言語」として使われます。
🔍 焙煎度の詳細分類(10段階+アグトロン値)
| 焙煎度名 | 英語名称 | 特徴 | 豆のAgtron値目安 | 粉のAgtron値目安 |
|---|---|---|---|---|
| ① グリーン | Green | 未焙煎豆(生豆) | 90〜100以上 | – |
| ② イエローステージ | Yellow Stage | 色が黄色に変わり始める(初期加熱) | 80〜90 | – |
| ③ シナモンロースト | Cinnamon Roast | 最初のクラッキング前、軽く酸味強い | 75〜85 | 85〜95 |
| ④ ニューイングランドロースト | New England Roast | 1st Crack直後。浅煎り系の基本 | 70〜75 | 80〜85 |
| ⑤ アメリカンロースト | American Roast | 酸味と甘みのバランスが取れ始める | 65〜70 | 75〜80 |
| ⑥ シティロースト | City Roast | 中煎り。甘み、酸味、コクの調和 | 60〜65 | 70〜75 |
| ⑦ フルシティロースト | Full City Roast | 2nd Crack直前、やや深煎り | 50〜60 | 60〜70 |
| ⑧ フレンチロースト | French Roast | 強い焙煎香、苦味が強くなる | 40〜50 | 50〜60 |
| ⑨ イタリアンロースト | Italian Roast | 表面にオイル、苦味が際立つ | 30〜40 | 40〜50 |
| ⑩ スパニッシュロースト | Spanish Roast | 焦げに近く、スモーキー感極大 | 25以下 | 30〜40 |
📏 アグトロン値を使う意味
① 焙煎度を客観的に管理できる
「浅煎り」「中煎り」といった言葉は便利ですが、人によって定義が違うため、誤解やブレが生まれます。
🔍 例:
Aさんの「中煎り」がBさんの「浅煎り」だったら?
→ レシピを共有しても、同じ味にはなりません。
アグトロン値を使えば、「色」を誰が見ても同じ基準で判断できるようになります。
② 味の再現性が高まり、安定した品質につながる
毎回の焙煎ごとにアグトロン値を測ることで、理想の味を数値として記録・再現できます。
📝 たとえば:
- 「このブレンドはAgtron値60で焙煎」と記録すれば、次回も同じ味を目指せる
- 焙煎機や豆が変わっても、基準点として機能する
③ チームや他人と「共通言語」で焙煎を共有できる
アグトロン値があれば、スタッフ同士や他店のロースターとも言葉を超えて焙煎度を共有できます。
📦 例:豆の仕入れ先に
「フルシティロースト(Agtron値55〜60)」と伝えれば、認識のズレが起きにくい。
④ カッピング評価に必要なデータになる
スペシャルティコーヒーの公式評価では、粉のアグトロン値が記録されます。これはSCA(スペシャルティコーヒー協会)などの国際基準に基づいています。
👨🔬 Qグレーダーなどの資格者は、アグトロン値を見ながら味と焙煎度のバランスを分析します。
⑤ 感覚に頼らず、学びやすい焙煎教育ができる
焙煎を学ぶ際、「色・時間・温度・味」すべてを感覚で掴むのは難しいですが、アグトロン値があると色を数値で捉える=学びやすくなるのです。
🎓 初心者も「この焙煎はAgtron値65だとこういう味になる」と段階的に理解できます。
🧪 アグトロン値はどうやって測るの?
✅ 測定方法
アグトロン値は専用の測定器で、焙煎された豆や粉の「色の明るさ(反射率)」を測定して算出します。
✅ よく使われる測定器
① Agtron社「M-BASIC」または「E20-CP」
- アメリカのAgtron社が開発
- SCA(スペシャルティコーヒー協会)公式の基準機器
- 粉や豆の色を測って、専用のAgtronスケールに基づいた数値を出す
② Lighttells「CM-100 Plus」
- 台湾製の小型測定器
- 安価で持ち運び可能、業務用ロースターに人気
- 豆・粉の両方に対応し、Agtron値とLab値も出力可能
📌 補足ポイント
- アグトロン値は粉の方が豆よりも高めに出るため、SCAでは粉のAgtron値を標準とします。
- 測定機器により±5程度の誤差があることもあります。
- エスプレッソ用ブレンドでは、フルシティ〜イタリアンが一般的。
✅ まとめ:アグトロン値は「見えない味」を見える化するTOOL
| 特徴 | 意味 |
|---|---|
| 客観性 | 人によって違う焙煎感覚を統一できる |
| 再現性 | 味の記録・管理が正確にできる |
| 共有性 | 他人と同じ基準で話ができる |
| 品質管理 | 焙煎のぶれを防ぎ、味の安定に貢献 |
| 学習性 | 焙煎の学びが構造化・可視化される |
DEEPER COFFEEでは、お客様からご希望のローストレベルを聞いて焙煎をしていますが、やはり安定性という面ではバラつきが多いのが現実です。そのバラつきについて数値によって可視化することで再現性や味のぶれを防ぎ、お客様の信頼につなげたいと考えています。



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